Journal of UOEH
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成人看護学実習(急性)における学生の看護技術経験の実態
永松 有紀室屋 和子
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2008 年 30 巻 3 号 p. 359-372

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抄録

看護技術教育を検討する基礎的資料を得ることを目的として, 成人看護学実習(急性)で学生が経験した技術項目とその自己評価について実態調査を行った. 調査は, 平成17年から平成19年までに成人看護学実習を終えた看護学科3, 4年次生111名を対象に, 看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書で示された項目と本学の看護基本技術の到達レベルに準じた11学習項目50技術項目からなる無記名の自己記入式の調査票を使用した. 経験度が高かった学習項目は, 『安全管理の技術』『感染予防の技術』『清潔・衣生活援助技術』『症状・生体機能管理技術』であり, 経験度が低かったものは『排泄援助技術』『呼吸・循環を整える技術』などであった. また, 経験度と自己評価の関連では11学習項目中8項目で正の相関が認められ, 『食事援助技術』『清潔・衣生活援助技術』『呼吸・循環を整える技術』の3項目では認められなかった. 今後, 学生が実施した技術を学内で振り返る演習の設定など, 習得に向けた取り組みの必要性が示唆された.

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© 2008 産業医科大学
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