Journal of UOEH
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Linuxベースで動作する抵コストIPSecルータの作成と実用性評価
網木 学堀尾 政博
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2001 年 23 巻 3 号 p. 307-315

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抄録

PC/AT互換機にLinuxをインストールし, FreeS/WANを組み込んでIPSecルータを作成した. 運用評価は学内ネットワーク間と学内ネットワーク・学外ネットワーク間で行い, ping/ftpによるデータ転送速度を測定した. 結果, 学内ネットワーク・学外ネットワーク間のVPN通信は通常のIP通信との間に大きな差を認めなかった. これは, 低速な回線では交換されるパケット量が少なくVPNによる負荷がそれほどめだたなくなる, あるいは, VPNのデータ圧縮効果が暗号化・複合化による負荷を相殺するためと考えられた. 一方, 学内ネットワーク間では, 通常のIP通信と比較すると約20-30%の速度低下が認められたが, 実用上, 問題にはならない程度であった. 最近になってVPN機器の値段は下がってきたものの, 十分な機能を備えた製品はいまだ高額である. したがって, 本格的なVPN環境を導入する際に, LinuxベースのIPSecルータを選択することはコストの面から意義のあることと考える.

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© 2001 産業医科大学
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