脳神経外科ジャーナル
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Astrocytic tumor の治療(<特集>悪性脳腫瘍のトピックス)
松谷 雅生
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1997 年 6 巻 5 号 p. 299-305

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抄録

astrocytomaが浸溝性腫瘍であることは剖検像により明らかである.手術全摘出のみでは5年生存率は50%前後で,放射線照射を行っても10年生存率は50%を超さない.また,90%前後の症例では再発時に組織像が悪化する.水腫瘍は悪性腫瘍(癌腫)として治療すべきである.浸潤性格がさらに強いglioblastomaに対して,放射線治療を主体とし化学療法剤の併用にBRM療法を加える多角的治療が行われてきたが,median survivalは50〜60週(12〜14カ目)にとどまっている.組織内照射と術中照射の適応症例のみ2年生存率50%を超えていることより,今後はradiosurgeryを含めた局所高線量照射療法の積極的な採用が必要である.

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© 1997 日本脳神経外科コングレス
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