脳神経外科ジャーナル
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特集 閉塞性血管障害病変の課題と展望
超急性期から慢性期まで, 脳梗塞二次予防のための抗血栓療法
榎本 由貴子
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2018 年 27 巻 7 号 p. 494-504

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抄録

 脳梗塞の再発予防にはその病型診断とそれに適した薬物治療が不可欠である.

 主体となる抗血栓療法は, 適切に行わなければ脳梗塞を予防できないばかりか出血性合併症のリスクを上昇させる可能性があり, 適切な薬剤選択・タイミング・十分な投与量が重要である. 脳梗塞再発のリスクが最も高いのは発症数日以内であり, 急性期に可及的早く十分な量の抗血栓療法が開始される一方, 慢性期では1年以上の多剤併用療法は行わない, メリハリの効いたマネジメントが必要とされている. 急性期, 特にrtPA静注療法・血管内治療後における抗凝固療法の適切な投与開始時期については明確な指針がなく, 今後の検討課題である.

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© 2018 日本脳神経外科コングレス
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