2015 年 24 巻 5 号 p. 292-300
腰椎変性疾患に対するinstrumentationを併用した脊椎固定術は, 脊椎安定性を即時に獲得し, 腰仙椎配列を良好に維持するために必要不可欠な手技であり, 固定手技や機器の進歩, 合併症予防の啓発や低侵襲化の加速により, 汎用性が高まっている. 本編では従来から行われている各種腰仙椎固定術のほか, 最新固定術を含めた術式の利点欠点, 生体力学的特徴, 有害事象と手術のポイントについて概説する. また, 近年注目度の高い低侵襲固定術, 手術完成度を高めるための安全対策と術中支援, 骨粗鬆症や骨病変などを伴う脆弱性脊椎に対する固定インプラントの開発や工夫などについても言及する.