2009 年 18 巻 11 号 p. 839-843
Indocyanine greenを用いた術中蛍光血管撮影の新たな利用法として,経時的輝度変化測定の有用性を報告する.症例は61歳女性,未破裂中大脳動脈瘤の症例.通常の前頭側頭開頭を行い,Carl Zeiss社製顕微鏡OPMI^[○!R] PenteroのINFRARED 800とFLOW 800システムを用いて,動脈瘤の残存血流,末梢血管,末梢血管領域の脳表の輝度を観察した.脳表,動脈瘤の単位時間当たりの輝度変化を相対的かつ経時的に評価することにより,正常な脳表血流と動脈瘤の不完全閉塞による血流残存が明瞭に評価された.OPMI^[○!R] PenteroのINFRARED 800とFLOW 800システムは,簡便な相対的経時的輝度変化評価法としてきわめて有用と思われた.