眼窩部頭蓋骨海綿状血管腫は稀な疾患であり,確定診断には苦慮することも多い.われわれは,CTおよびMRIにおいて特徴的画像所見を備えた,眼窩上壁に発生する頭蓋骨海綿状血管腫の稀な1例を経験した.症例は61歳の女性.2年前より右眼窩上外側部に緩徐に増大する無痛性の腫瘤を自覚していた.CTの骨イメージでは同部位に直径2.5cmの境界明瞭な円形病変を認め,内部にはいわゆる"sunburst"patternという放射線状の骨棘形成を伴っていた.手術により,周囲正常骨組織も含めてen blocに摘出した.本疾患の疫学,治療法等につき,文献的考察を加え報告する.