2019 年 11 巻 3 号 p. 110-115
【目的】ピボットポイント(PP)を中足骨頭(MTH)下に設定したRocker Sole(RS)が歩行中の下肢関節角度に与える影響について検討した.【方法】対象は健常成人男性10名とし,三次元動作解析装置にて歩行中の下肢関節角度を測定した.Post-Operative Shoes着用下での測定結果から踵離地(HO)時,つま先離地(TO)時の測定値の信頼性を検討したうえで,RS着用時(RS有)と非着用時(RS無)の下肢関節角度の変化を比較し,PPをMTH下に設定したRSの影響を検討した.【結果】HO,TO時の足関節背屈角度において2条件間に有意な差を認めなかった.RS有にてHO,TO時に膝関節屈曲角度が有意に減少していたが,最小可検変化量を超えた変化ではなかった.【結論】PPをMTH下に設定したRSは足関節背屈制限がない健常者の歩行時下肢関節角度に影響を与えないことが示された.