2011年の東日本大震災をきっかけとして, インターネットによる選挙公報の掲載が可能となった。だが, 実際にはすべての地方自治体が選挙公報のネット掲載を実施しているわけではない。また, ネット掲載を実施していたとしても, それを掲載している期間の長さについても様々である。このような自治体ごとの違いをもたらしている要因を, 2017年2月に実施された全国市区町村選挙管理委員会・事務局調査から明らかにすることが本稿の目的である。結果として, 選挙管理委員会による情報発信行動に対しては, 政治的要因よりもむしろ選挙管理委員会事務局の選好が影響を及ぼしていたことが示された。