近隣住民の社会および健康状態の因果関係と都市緑地の利用との関連性を検証するため,江東区に在住する住民1,553名を対象にオンラインアンケート調査を実施した。はじめに,近隣住民の社会および健康状態の因果関係モデルとして,構造方程式モデリング(SEM)により“剥奪指標上位型モデル”を構築し,多母集団パス解析により都市緑地の利用による影響を分析した。この結果,公園および個人住宅の高頻度利用者は,低頻度利用者と比較して「自己効力感→健康QOL」に掛かるパス係数が有意に高いことが示された。以上のことから,都市緑地の利用による健康増進効果の因果関係をモデルにより推定した。