2015 年 41 巻 1 号 p. 215-218
石炭灰を利用した防潮堤盛土のり面の保護と景観改善のために,のり面緑化を行った。盛土は緻密に締め固められ,ほとんど透水しないアルカリ性地盤のため,植物の根の侵入が困難な状態である。確実に緑化できる工法を調べる目的で,木片コンクリート緑化技術を用いた吹付工による実証試験を実施した。試験は,一般的な緑化技術との性能を比較検証するため,種子吹付工,客土吹付工,厚層基材吹付工を採用した。調査は,施工後から約2年間,発芽状況の確認,植被率および平均草丈を測定した。その結果,いずれの項目も,木片コンクリート吹付工および厚層基材吹付工の値が,種子吹付工,客土吹付工よりも高かった。