自生地で埋土種子を形成するヨウシュヤマゴボウを対象に,常緑樹林に形成した光環境の異なるギャップ内外の7箇所で灌水区,リター区を設けた出芽実験,実測した地温を再現した人工気象器で異なる水分条件での発芽実験を行った。水ポテンシャルの低下で発芽率は低下,発芽時期は遅くなり,温度変動の小さなプロットおよびリター区では出芽しなかった。ギャップ内の出芽パターンは環境制御下のPEG濃度10%の発芽傾向に似た。ヨウシュヤマゴボウの野外での発芽には,水分条件よりも温度変動条件が大きく影響することが明らかとなった。