自然の復元を目指した緑化対策の現状を把握するために, 近年竣工した3箇所のダム原石山跡地で植生調査等を実施した。その結果, 厚層基材吹付工を実施した箇所では実施しなかった箇所より在来種の進入種数が少なかった。また, 厚層基材吹付工に在来木本種子を混ぜて播種した箇所で播種した在来木本の植被率は, 草本種子量を減じた箇所の方が高かった。小段部の植裁工については, 成長した植裁木からの種子の散布による周辺のり面への定着を図ることを主眼として, 厳しい立地環境である原石山跡地においても定着が可能なアカマツなどの先駆性の木本を中心に樹種を選定することが望ましいと考えられた。