体外循環技術
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QUADROX膜型人工肺の使用経験
鷹橋 浩窪田 將司河田 修一黒田 廣松本 清貴上久保 康弘大場 淳一石橋 義光青木 秀俊村上 忠司
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キーワード: 膜型人工肺
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1997 年 23 巻 3 号 p. 31-35

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抄録

1996年1月より5月までに行われた開心術のなかで,Jostra社製膜型人工肺QUADROX(以下,QU)を20例に使用し,SORIN社製MONOLYTH(以下,MO)を使用した20例と,人工肺ガス交換能,血液性状,操作性について比較検討した。人工肺ガス交換能は両人工肺とも安定したガス交換能を有していたが,酸素加能においてQUが有意に高く,常温体外循環時でも余裕のあるガスコントロールができるものと考えられた。また,炭酸ガス排出能に有意差は無かったが,若干MOが良いように考えられた。血液性状においては両人工肺に有意差は無かった。安全性はQU,MOとも人工肺下部より送血ラインが出ているため,空気を送る危険性が少ない構造となっており,特にQUは人工肺上部にフィルタ式のガスパージポートが付いているため,安全性の高い人工肺であると考えられた。操作性において,QUの気泡除去は容易であったが,リザーバー一体型が無く人工肺内蔵の温度センサーポートが外気の影響を受け不良であり,今後の開発・改良が望まれる。

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© 日本体外循環技術医学会
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