Strength and Conditioning Journal Japan
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特集
肩峰下インピンジメント症候群の解剖学的考察とマネジメント
大庭 有希也
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キーワード: インピンジメント,
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2024 年 31 巻 4 号 p. 5-13

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抄録

スポーツ中に起こる肩の痛みは、整形外科で診療にかかる最も多い理由のひとつであるが、なかでもインピンジメント症候群は、肩の痛みを引き起こす原因の44~65 % を占めるなど、頻発するスポーツ傷害のひとつである。その特性をみてみると、インピンジメント症候群は、野球、ソフトボール、バレーボール、水泳、テニスなどオーバーヘッド動作を必要とする競技のみならず、基礎トレーニングとして取り入れられるウエイトリフティングや、日常生活の作業中にもよく起こる障害でもある。インピンジメント症候群による肩の痛みは、アスリートにとって競技時間やパフォーマンスを著しく減少させるだけでなく、日常生活活動にも影響を及ぼしかねないので、その原因を理解した上で、適切な対処をすることが重要である。本稿では、上記の中で最も頻繁に起こるタイプである肩峰下インピンジメントを中心に、読者が解剖学的知識を基に障害のメカニズムや典型的な症状の理解を深め、医師やアスレティックトレーナー(AT)などのスポーツ医学専門家と共通理解をもって、リハビリテーション、予防、コンディショニングなどにおいて適切な判断をし、進めていくことの重要性を理解していただくことに主眼を置いて論じたい。

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