2023 年 39 巻 p. 37-44
床版の損傷が確認されているRCアーチ橋の安全性を検討する.そこでまず,床版内の配筋調査の結果を参考に部分モデルを用いてFEM解析を行い,床版引張側の作用応力が大きく,補修等を要することを明らかにした.つぎに,ソリッド要素を用いて床版をモデル化した全体解析モデルを用いてアーチリブの断面力分布を確認した.その結果,前報の梁要素によるモデル化の問題点が解消されるとともに,前報と同様にスプリンギング部の境界条件がアーチリブの断面力分布に与える影響が大きいこと,床版補修の施工に伴う重量増の影響により断面力は増加するが,この重量増が橋梁全体に与える影響は小さいことがわかった.