2024 年 4 巻 1 号 論文ID: SC-2024-14
場面緘黙経験者の社交状況における問題,発話行動特徴を明らかにすることを目的とし,場面緘黙経験者を対象に面接調査,質問紙調査,会話実験を行った。場面緘黙経験者は場面緘黙の診断基準を満たさなくなった後にも発話に困難を感じていることが報告され,発話の困難は社交に影響することが示唆された。実験場面において,場面緘黙経験者は反応潜時が長かった。日常場面においても反応潜時の長さが音声コミュニケーションの障壁となっている可能性が考えられる。場面緘黙経験者の発話行動に影響を及ぼす環境要因を明らかにすることが今後の課題である。