睡眠と環境
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Print ISSN : 1340-8275
総説論文
親子でチャレンジ「早ね早起き朝ごはん」
- 睡眠教育指導者を育成するプロセス -
古谷 真樹
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2020 年 15 巻 1 号 p. 46-52

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抄録

子ども達の心身の健やかな発達を促進するためには,その基盤である生活リズムを早い段階で確立していくことが重要である。子ども達が規則正しい生活リズムを身につけ,その年齢に適した睡眠時間を確保するためには,家庭教育の役割が大きい。本稿では,幼児期から児童期の親子を対象とした睡眠教育プログラムを紹介しながら,睡眠教育の指導者を育成するプロセスについて概説する。すなわち,1) 子ども達の健康をよく知る養護教諭を学校園での睡眠教育指導者として育成する,2) 学校園と保護者が質問紙調査の結果を共有し現状を把握する,3) 学校園と大学が連携しながら睡眠日誌記録を行う実践型の睡眠教育を行い,保護者が睡眠教育指導者になるよう育成する,である。実践型睡眠教育で重要な点は,1) 実践者に急激な変化や完全な変化を求めないこと,2) 睡眠日誌を家族全体で共有し,家族が支援的なコメントやアドバイスをすること,である。保護者や子どもが生活リズムや睡眠改善を目指す目標を意識しながら行動することで,心身の良好な変化を感じられたなら,睡眠教育は十分機能したと考えてよいと思われる。

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© 2020 一般社団法人日本睡眠環境学会
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