脳脊髄液減少症は一般に起立性頭痛を主訴とすることが多いが,稀な疾患であり見逃されていることが多い。今回著者らは突然の頭重感を主訴に来院した 26 歳女性が,詳細な問診により脳脊髄液減少症の診断に至った症例を経験したため報告する。症例:26 歳女性,仕事中突然の頭重感が出現し,翌日より手の力の入りにくさや聴力低下を自覚した。頭部単純CT,MRIでは特記所見が得られなかったが,嗅覚障害,記憶変化,MMT低下といった神経症状を随伴していたことから脳脊髄液減少症を疑いCTミエログラフィを行った。髄液の硬膜外漏出を認め,本症の診断となり,安静臥床と補液および飲水,カフェイン内服の対症療法を併用し保存的に軽快した。