1978 年 73 巻 2 号 p. 120-124
清酒中に溶存する鉄・銅を, ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム (APDC) または, ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム (DDTC) を用いて生成するキレート化合物として, メチルイソブチルケトン (MIBK) に抽出したのち, 原子吸光光度法で定量する方法 (APDC-MIBK抽出法, DDTC-MIBK抽出法) を検討した。その結果, この定量法は, 共存元素等の影響も少なく, 比較的簡便, 迅速に定量できることがわかった。また湿式灰化一原子吸光光度法と比較した結果, 高い相関関係を認めた。