日本釀造協會雜誌
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酒造米に関する研究 (第7報)
蒸米調製までの流出成分の動き
吉沢 淑石川 雄章
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1974 年 69 巻 9 号 p. 584-586

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抄録

洗米, 浸漬工程を変えて蒸きょう工程までの各処理水中の成分の動きを検討した。
1) 洗米処理水は多量のSS, COD, 蛋白質を含み, SSは白米重量の1.3%に相当した。掛流し処理30分間まで各成分とも流出の程度は大きく, 特にKは掛流し処理により大量に流出した。カラムを用いて掛流し処理を行なった結果30分後SSの流出は認められず, 90分問で米粒中のKのほぼ全量が溶出した。
2) 各処理米を水切り後45分間蒸きょうし, ドレインを分析した結果, いずれも蒸きょう中のSS, COD, 全糖, K, 蛋白質の減少は僅少であった。
3) 掛流し水の流速を大きくすると流出水中の上記成分濃度は減少したが, 流出成分量は流速が大きい程大きく, 特にKと蛋白質量はその程度が大きかった。
4) 白米66kgつつの洗米省略浸漬, 洗米浸漬, 洗米省略掛流し処理における流出K量はそれぞれ4.3g, 8.9g, 11.8gであった。

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