日本醸造協会誌
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サツマイモ焼酎チャーガスピリッツの抗炎症機能の解析
章 超村上 愛坂尾 こず枝久永 絢美河野 邦晃岩井 謙一髙瀬 良和侯 德興
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2018 年 113 巻 12 号 p. 766-775

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抄録

エクストラクトチャーガをサツマイモ焼酎に浸漬させ,サツマイモ焼酎チャーガスピリッツ(SIS)を作製した。HP20カラム及び限外濾過により得られたSISの各画分について,炎症モデル細胞を用いて炎症因子産生の抑制効果及び機構を解析し,さらに,その構造も解析した。
①RAW 246.7培養細胞においてSIS抽出物は細菌リポ多糖(LPS)誘導性各炎症性因子の産生に顕著な抑制効果を示した。分画した結果,分子量が3〜10 kDa以上のものは3 kDa以下のものより活性が強かったが,相乗効果も有することを明らかにした。
②SIS抽出物はNF-κB及びMAPK炎症性細胞伝達経路を阻害し,抗炎症作用を発揮することが示唆された。
③化学構造を解析した結果,SIS抽出物の主要活性成分はリグニンであることが推定された。
以上の結果から,サツマイモ焼酎チャーガスピリッツには機能性成分リグニンが含まれており,抗炎症機能を有することが明らかとなった。

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