情報地質
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画像から抽出した点群の散布特性の評価に関する研究
籠田 久和冨長 勇作加藤 昌治大賀 光太郎小野 修司佐藤 壽一古宇田 亮一
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1998 年 9 巻 2 号 p. 57-63

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抄録

画像から地質構造などに起因する特徴として抽出された点群に対するリニアメントの当てはめについて考察した.リニアメントを表す直線の当てはめに, 点群と直線との距離に関する最小2乗法を用いた場合には, 異なる点群間の当てはめ精度の比較には残差平方の平均が用いられる.本研究では, 点群が2変数x, yの座標値により表されるとき, 目的変数yを説明変数xの関数f (x) として表示する方法を用いた.測定値yiとf (xi) との残差平方和を最小とするように関数f (x) 中の係数値を定めると, 測定値yiとf (xi) との差から当てはめ精度は相関係数で表される.そこで本研究では, 点群の中心に座標を移動し, 座標軸を回転して得られる相関係数の最大値を各点群でのリニアメント当てはめ精度とした.また, 相関係数が最大となる推定直線は, 点群と直線との距離を最小となるように定めた直線と一致することを示した.
本法の有効性を調べるための応用例として, 金鉱床が存在するカルデラ地域での衛星画像内のスケルトン群を対象としたリニアメント当てはめを行い, 点群間のリニアメシト当てはめ精度の比較について示した.

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