日本農林規格および優良木質建材等認証に記載されている既存の木材保存剤のアメリカカンザイシロアリに対する有効性を確認した。日本には現在, 木材保存剤のアメリカカンザイシロアリに対する防蟻性能の評価に関する公的な試験方法がない。そこで, アメリカカンザイシロアリ擬職蟻を供試虫として, JIS K 1571(2004)の室内試験の注入処理用試験法に準じて, 各種木材保存剤で注入処理したスギ辺材を強制摂食させることにより, 本種の生態を考慮した防蟻性能評価方法について検討した。26℃, 湿度75%の条件下でビーカー内に擬職蟻20頭を投入して, 6週間無処理スギ辺材を強制摂食させることで, 平均質量減少率がJIS K 1571の試験の有効性の基準である15%以上を満足することが認められた。本法を用いて上述の保存処理木材の防蟻性能を評価したところ, 平均質量減少率はすべて3%以下であり, JIS K 1571の性能基準を満足した。