1993 年 3 巻 1 号 p. 91-96
本研究では, 水道水中のTOX・THMsと原水水質との関係, それに受水槽以下におけるTHMs量の挙動を明らかにすることを試みた。
信濃川沿岸7都市の水道水中のTOX・THMs量と原水水質との関係を調べた。水道水中のTOX量と, 原水中のTOC・BOD・アンモニア性窒素それぞれとの間に高い相関が得られ, 水道水中のTOXは原水の人為的汚染と深く係わっている可能性が示唆された。
また, 受水槽以下でのTHMsの挙動を調べたところ, 受水槽以下の水道管内でも, 水道水中の炭素源と残留塩素が反応しTHMsが生成されることが示され, その量は滞留時間が長いほど多かった。以上の結果をもとにTHMsを増加させないための改善策を示した。