頭頸部癌
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口腔
旭式発話メカニズム検査(簡易版)による口腔癌術後患者の構音障害の評価
―発語明瞭度検査との比較検討―
井上 公秀山本 一彦川上 正良今井 裕一郎梶原 淳久舘林 茂大儀 和彦桐田 忠昭
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2006 年 32 巻 3 号 p. 349-354

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抄録

口腔癌術後患者20症例を対象に,発語明瞭度検査と旭式発話メカニズム検査簡易版を実施し,結果の比較検討を行った。発語明瞭度検査は,日本語100音節明瞭度検査を実施した。旭式発話メカニズム検査は簡易版を用い,評価基準にもとづいて評価した。発語明瞭度検査の結果は,46~91%であり,旭式発話メカニズム検査の結果は,44~99%であった。発語明瞭度検査と旭式発話メカニズム検査の結果には,相関係数r=0.703(P<0.01,n=20)と相関を認めた。さらに,舌癌術後患者において,発語明瞭度検査と旭式発話メカニズム検査の舌の運動項目の検査結果には,相関係数r=0.893(P<0.01,n=9)と強い相関を認めた。旭式発話メカニズム検査簡易版は,特別な環境や機器を必要とせず,口腔癌術後患者の発語明瞭度検査結果と相関したことから,構音障害の評価に利用できる可能性が示唆された。

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© 2006 日本頭頸部癌学会
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