日本泌尿器科學會雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
前立腺超音波計測6年間の経験
第2報: 肥大症前立腺重量の経時変化
木村 明林田 真和樋口 照男
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1986 年 77 巻 9 号 p. 1461-1466

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抄録

1980年1月より1985年8月までの間に経直腸的超音波断層法にて軽度の前立腺肥大症と診断され非ホルモン剤を投与された患者は178例あった. このうち68例は2週間から3カ月にて来院しなくなった. 81例は6カ月から5年の間に2回から6回の超音波検査を受けていた. これらの症例につき前立腺重量を集計したところ以下の知見を得た.
1) 来院しなくなった患者68例の前立腺重量は22.3±9.0gであり, 経過観察できた81例のそれと有意差はなかった.
2) 経過観察できた81例において前立腺重量は初回の21.1±7.9gから終回の25.0±9.7gへと増加していた.
3) 前立腺重量が10%以上減少した例は81例中13例のみであった.
4) 前立腺重量は連続的に増加するのではなく, ある時点までは不変もしくは増加が緩やかでありその後急速に増加するようであった.

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