Stem cell assay による腎細胞癌, 膀胱癌, 腎盂癌の制癌剤感受性試験を検討した. 腎細胞癌40例中29例 (72.5%), 膀胱癌7例中4例 (57.1%), 腎盂癌5例中5例 (100%) にコロニー形成を認めた. コロニー形成率 (plating efficiency) は腎細胞癌0.02～0.5%, 移行上皮癌0.02～0.2%であった. 腎細胞癌19例 (47.5%), 膀胱癌4例 (57.1%), 腎盂癌5例 (100%) の計28例 (53.8%) に評価可能な成績が得られた. 腎細胞癌では検討薬剤のうち感受性を示す薬剤は少なく, adriamycin, vinblastine, cisplatinum 等に20%程度の症例が感受性を示すのみであった. 移行上皮癌では感受性を示す薬剤は多く, vinblastine, adriamycin, cis-platinum, aclacinomycin に半数以上の症例が感受性を示した. これらの結果は臨床での化学療法成績との現状と類似しているものと考えられた.