日本泌尿器科學會雑誌
Online ISSN : 1884-7110
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膀胱尿管逆流防止術57例の検討
安田 耕作村上 光右浜 年樹丸岡 正幸宮内 大成中山 朝行井坂 茂夫香村 衡一五十嵐 辰男山城 豊村山 直人北村 温島崎 淳
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1981 年 72 巻 11 号 p. 1470-1476

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抄録

1977年6月より1980年8月までの3年3カ月に57例のVURのある患者に対して所謂 combined method (Politano-Leadbetter 変法) で手術をした. primary VUR45例, secondary VUR12例である. VURは55例 (96.5%), 86尿管 (97.7%) に消失した. VURの持続した2例 (3.5%), 2尿管 (2.3%) は小児の megaloureter であつた. 1例は primary VURで他の1例は secondary VURの症例であつた. 膀胱外剥離を施行すると, 合併症として一時的残尿の増加及び排尿困難の招来する危険があるので postoperative voiding cystourethrogram を検索した. その結果, primary VUR45例中2例 (4.4%) にのみこれが認められ, 6カ月後には全て消失した. この結果より膀胱外剥離を注意して行えば重症の神経因性膀胱は発症せず combined method は優れた手術法であることが確認された.

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