環境技術
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浮上分離を組み込んだ嫌気好気ろ床法による窒素除去に関する研究
石川 進鈴木 辰彦荷方 稔之柿井 一男白樫 高史
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2000 年 29 巻 11 号 p. 873-883

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抄録

今後新たに計画される下水処理場は, 処理水量1000~2000m3/日以下の小規模の施設が中心となる.小規模であっても, 環境保全上重要な水域や閉鎖性水域に放流する場合が少なくないことから, 依然として, 窒素・リンの除去は重要な課題である
本研究では, 維持管理の容易な嫌気好気ろ床法を用い, 短時間での窒素除去と汚泥の安定した分離濃縮を目的とした.処理フローは, 嫌気性ろ床→加圧浮上分離→好気性ろ床 (上部にプラスチック製接触材, 下部にアンスラサイトを充填した2床式下向流方式) であり, 硝化液循環型である.実下水を用いたパイロットスケールの実験を行った.
単位体積あたりの硝化量および脱窒量を高めるためには, 比表面積の大きな接触材を用いて流動床とすることが効果的であった.また, 無薬注加圧浮上 (凝集剤を添加しない加圧浮上分離) においても安定した汚泥の分離濃縮が可能であった.さらに, 日間の流入下水量の変動に対する安定性も確認した.

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