地下水学会誌
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特性の異なる難水溶性有機化合物原液の鉛直浸透挙動に関する実験的考察
石井 一英古市 徹田中 信壽
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1998 年 40 巻 2 号 p. 105-120

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抄録

不法投棄や不適正保管によって.有害な有機化合物原液が土壌層内に浸透し土壌・地下水汚染を引き起こす場合が多い.本研究では.難水溶性液体(Non-Aqueous Phase Liquid;NAPL)原液の土壌層内での挙動を把握することを目的に.ガラスビーズ層を用い.特性の異なるNAPL原液について.浸透速度.並びに浸透停止後のNAPLと水の鉛直方向の存在量分布を測定した.
またNAPLの浸透挙動の解析に必要な毛管カー飽和度の関係(特性曲線)を実験的に測定し.各NAPLについて.Lenhard&Parker(1988)による推定法の検討を行った.その結果.空気一水の特性曲線から空気一NAPLの特性曲線は各NAPLで推測可能であるが.空気一NAPL一水の特性曲線については.NAPLが取り残されるため推定できない領域のあることが分かった.そこで.懸垂水帯(懸水帯)における残余NAPL量を測定し.残余NAPL飽和度とNAPL及び媒体特性との関係づけを試みた.

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