地下水学会誌
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佐賀平野における平成6年異常渇水と地盤沈下
八谷 陽一郎北島 淳二神野 健二
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1996 年 38 巻 3 号 p. 181-191

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抄録

佐賀平野は.九州の有明海北岸部の佐賀県南部に位置し.表層部には極めて軟弱な粘土層が広く分布している.この地域では.古くから地下水が水道用.農業用.工業用等に利用され.地下水の過剰採取に起因する地盤沈下が深刻な問題となっている.昭和46年からの観測結果によると.累積沈下量は.佐賀地区で約30cm.白石地区で約1mにも及んでいる.
平成6年は極めて深刻な渇水に見舞われ.過去100年間で最小の降雨量を記録し.また.従来の最高気温38.0℃を更新し.39.6℃を記録した.このため.地下水採取量の大幅な増加が認められ.白石地区においては.地下水位の低下が約18mにも及び.年間の地盤沈下量16cmを記録した.

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