日本食品低温保蔵学会誌
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立塩法による小梅漬けの硬度とペクチン質に及ぼす塩蔵条件の影響
乙黒 親男金子 憲太郎
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1994 年 20 巻 1 号 p. 22-28

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抄録

'立塩法'による塩蔵の硬度保持条件 (Ca, Mg塩の種類, Ca塩添加量, 食塩濃度, 塩蔵および貯蔵温度) について調査・分析し, それらの条件で塩蔵した小梅漬けの硬度, ペクチンおよびCaの関係について比較検討した。
(1) 立塩法の歩留りは撒塩法に比較し10%増加した。
(2) 小梅漬けのペクチン結合Ca含量はPSP>HSP>WSP画分の順に存在した。
(3) PSP画分の単位ペクチン当たりのCa含量の増加に伴いPSPからHSPへの移行と硬度の上昇が起こった。
(4) Ca塩では硬度保持効果が認あられたが, Mg塩では軟化した。またCa塩では弱電解質塩が強電解質塩より効果が強かった。
(5) Ca塩添加量の増加に伴いWSPおよびPSP画分の単位ペクチン当たりのCa含量が増加し, 両ペクチンの減少とHSPの増加および硬度の上昇が起こった。

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