日本食品低温保蔵学会誌
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タモギタケ子実体の収穫後における炭水化物の変化
吉田 博藤本 水石林 淳三
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1991 年 17 巻 3 号 p. 95-100

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抄録

無包装貯蔵および密封包装貯蔵によるタモギタケ子実体の炭水化物の変化について検討した。
(1) 鮮度保持期間 (商品性限界時までの期間) は, 無包装貯蔵区では, 30℃で2日, 20℃で3日, 10℃で6~7日, 5℃で7日, 0℃で8~9日であり, 貯蔵温度の低下に伴い鮮度保持期間は延長された。密封包装 (PE100) 貯蔵では, 30℃で3日, 20℃で5~6日, 10℃で8~9日, 5℃で12日, 0℃で14~15日であり, 無包装貯蔵区に比較して鮮度保持期間は延長された。
(2) 子実体よりトレハロース, グルコース, マンニトール, アラビトールおよびグリセロールが検出された。主成分はトレハロースとマンニトールであり, これら2成分は貯蔵中に減少し, 主要な呼吸基質であることが示唆された。マンニトールおよびトレハロースの減少は貯蔵温度の低下に伴い緩慢になった。
(3) 酢酸可溶多糖 (グリコーゲン様多糖) 含量は貯蔵日数の経過に伴い減少し, その減少は貯蔵温度の低下に伴い緩慢となった。

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