日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
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成人腸回転異常症を伴った上行結腸癌に対し腹腔鏡補助下結腸右半切除術を施行した1例
山本 純也渕野 泰秀大石 純張村 貴紀岩永 真一城崎 洋豊島 宏
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2007 年 40 巻 12 号 p. 1960-1965

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抄録

Multidetector row CTは, 低侵襲かつ短時間に腹腔内の多くの情報を得ることが可能で, さまざまな疾患の術前検査として用いられている. 症例は63歳の女性で, 成人腸回転異常症を伴った上行結腸癌に対して, multidetector row CTを用いて術前精査を行い, D3郭清を伴う腹腔鏡補助下結腸右半切除術を施行した. 注腸造影X 線検査にmultidetector row CT (multiplanar reconstruction, volume rendering, 3D-CT Angiography) を加えることで, 解剖学的異常, 腫瘍の部位と腫瘍栄養血管の走行を十分に把握し, より安全に手術を行うことができた. Multidetector row CTは, 自験例のような解剖学的異常を伴う疾患や, 腹腔鏡下手術の術前検査として非常に有用であると考えられた.

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