日本消化器外科学会雑誌
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一時的幽門閉鎖法およびダメージコントロール手術を用いて救命した膵上腸間膜静脈損傷合併十二指腸破裂の1例
長島 敦吉井 宏北野 光秀土居 正和林 忍江川 智久
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2004 年 37 巻 4 号 p. 458-462

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抄録

鈍的外傷による膵・上腸間膜静脈損傷合併十二指腸破裂に対し, ダメージコントロール手術とpyloric exclusion法の変法である一時的幽門閉鎖法を施行し, 良好な結果を得たので報告する. 症例は40歳の男性で, トラック運転中停車していたトラックに衝突し受傷した. 腹部造影CTにて上腸間膜静脈損傷による出血性ショックと診断し, 緊急手術を施行した. 上腸間膜静脈, 十二指腸, 上行・横行結腸, 膵頭部に損傷を認めた. 術中臨床的出血傾向が出現したため, ダメージコントロール手術とした. ICUにてアシドーシス, 低体温を改善させた6時間後に再手術を施行した. 十二指腸損傷に対し, 破裂部を縫合閉鎖した後, 胃内腔より幽門を縫合閉鎖した. 縫合糸を後日経内視鏡的に除去する前提で胃空腸吻合は作製せず, 胃瘻を造設し, 結腸の再建を行い手術を終了した. 第17 病日に経内視鏡的に幽門閉鎖した縫合糸を切離し, 幽門を開通させた. 第42 病日に軽快退院した.

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