日本消化器外科学会雑誌
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大腸癌に対する腹腔鏡下手術
小西 文雄永井 秀雄金澤 暁太郎
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1999 年 32 巻 8 号 p. 2172-2176

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抄録

腹腔鏡補助下結腸切除術は, 一般的には, 大腸内視鏡によって摘除できないような腺腫や早期癌に対して施行されている. しかし, 結腸進行癌に対しても症例を選択して施行すれば通常の開腹手術と同じ範囲のリンパ節郭清を施行することができ, 根治的な手術となりうると思われる. 広範囲な癒着がなく, 肥満体でなく, 病変の部位が盲腸, 盲腸に近い上行結腸, S状結腸中ほどの病変であること, などの条件がそろえば, 腹腔鏡補助下手術で第2群, 第3群までのリンパ節郭清が可能であり, 根治的な手術となりうると考えられる. 我々は, 65例の大腸進行癌に対して本術式を施行した結果, 適切に症例を選択して行えば, 開腹手術と同様のリンパ節郭清が可能で, 根治的な手術となると考えられた. しかし, 欧米においてport site recurrenceの報告もあるので, 今後の遠隔成績の結果を検討する必要がある.

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