日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
症例報告
4回の摘出術で長期生存している後腹膜悪性腫瘍の1例
基 俊介門野 潤田畑 峯雄石崎 直樹清水 健井本 浩
著者情報
キーワード: 後腹膜腫瘍, 軟部腫瘍, 治療
ジャーナル フリー HTML

2013 年 46 巻 11 号 p. 868-873

詳細
抄録

 症例は44歳の女性で右上腹部痛を主訴に入院となった.CTで肝下面,胆囊左側に腫瘍内出血を伴う13 cm大の腫瘤を指摘された.十二指腸の消化管間質腫瘍を疑い,腫瘍摘出術,胆囊摘出術,肝部分切除術,胃・十二指腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査では後腹膜原発の悪性線維性組織球腫と脂肪肉腫を伴う骨外性骨肉腫の診断であった.骨肉腫に対する補助化学療法を施行したが,術後1年目に胃前庭部に再発し,幽門側胃切除術,肝部分切除術を施行した.さらに,1年7か月後に膵頭部上縁に再発し,腫瘍摘出術を施行した.さらに,1年3か月後に肝S4に再発し,肝左葉切除術を施行した.初回手術後7年で再発は認めていない.2回目までは骨外性骨肉腫を主体とする悪性腫瘍の再発であったが,3,4回目は低分化肉腫であった.現在,初回手術から7年経過するが再発なく経過している.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top