日本臨床細胞学会雑誌
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経皮胆管ドレナージ細胞診89例の検討
佐々木 陽子細谷 星一谷尾 進司中本 周
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1993 年 32 巻 4 号 p. 502-506

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抄録

1986年から1991年までの5年間に施行されたPTCD細胞診のなかで, 組織i診断や経過などで診断が明らかになった89症例, 125件を再検討し, 以下の知見を得た.
1-PTCD細胞診の正診率は74.4%(不適当材料を除外すると85.9%) と良好な成績であった.
2. PTCD細胞診断では, 結合性低下, 核間距離不整, 核縁肥厚, 壊死背景, 核染色質増加の順に5所見が悪性所見として重要で, 特に平均核径が9μmを越える細胞は悪性の可能性が高いと考えられた.
3. 誤陰性は24件あり, 過小評価によるものが4件, 悪性細胞非採取によるものが20件あった.
4. 誤陽性は8件あり, 4件では見直し後も悪性所見を否定できなかった.
5. 不適当材料は40件, 32%認められPTCD細胞診の診断能の向上には, 採取手技の工夫も必要と思われる

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