日本臨床細胞学会雑誌
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偏光レンズを用いた子宮頸部角化型扁平上皮癌および関連病変の診断
白浜 美佳渡辺 徹江村 巌内藤 真
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1993 年 32 巻 4 号 p. 481-488

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抄録

角化型扁平上皮癌診断精度の向上を目的として錯角化細胞の同定法と核の形態計測を組み合わせ, 子宮頸部癌と関連病変の検討を行った.錯角化細胞の大部分は複屈折を示すことから, 偏光レンズを使うことにより錯角化細胞のほとんどを認識できた.錯角化細胞は核が濃縮した細胞 (K, P-CELL) と濃縮していない細胞 (K, NP-CELL) とに大別され, 細胞診による角化型扁平上皮癌の診断には両者の出現が重要な所見である.角化型扁平上皮癌でのK, P-CELL, K, NP-CELLの核面積はそれぞれ非角化型癌細胞のほぼ1/3, 1/2であった.核面積を同じ面積の円に置換してみてその円の直径が5μ 以上となる核を有するK, P-CELLや, 空胞状にぬけた, あるいはクロマチンが凝集した6μ 以上の核を持ったK, NP-CELLの存在, およびそれら細胞の核の大小不同は角化型扁平上皮癌を疑うべき所見とみなされ, そのような症例については精密検査を行う必要があると考えられた.

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