2019 年 9 巻 1 号 p. 13-22
本研究は、クロス・トレーニング・プログラム(CTP) の参加者に対する量的および質的な分析を通して、 CTP への参加が保育者養成課程の学生の世代間交流に関する認識にどのような影響を及ぼすのかについて検討することを目的とした。 研究の対象は、保育者養成課程に所属する 4年次学生 20名で、 内10名は CTP の参加経験を有している。 研究方法は、 子どもと高齢者および学生の世代間交流活動中の映像を同時に視聴し、その内容について質問紙による回答を求めた。その結果、 量的分析によって、 CTP への参加が学生の世代間交流に関する認識のうち (1) 世代間交流への支援について肯定的な認識、 (2) 高齢者への支援に対する肯定的な認識、 (3) 高齢者に対して親しみやすい印象、の3点を向上させる可能性が導出された。さらに質的分析によって、これらに関する CTPへの参加の有無による学生の具体的な視点の差異が示された。