2019 年 8 巻 2 号 p. 29-35
高齢者はインフルエンザのハイリスク群であり、特にボランティア等で子どもと接する機会の多い者は感染リスクが高いため、予防接種が推奨される。本研究では、世代間で予防接種の重要性を提唱するValuing Vaccinations Across Generations 日本キャンペーンの一環として、絵本読み聞かせボランティアグループである「りぷりんと」に所属する高齢者を対象にアンケート調査を実施し、ワクチンの接種状況と、関連要因を検討した。調査の結果、毎年インフルエンザワクチンを接種している者は半数程度に留まり、接種状況には予防接種の有用性への評価や、安全性への不安、情報の確保状況が有意に関連していた。世代間交流を促進する際には、その意義だけでなく、予防接種といった健康危機管理についての情報も啓発する必要が ある。