2015 年 5 巻 1 号 p. 97-103
2014年3月15日に、東京都板橋区の「東京都健康長寿医療センター」において、 病院患者とその家族、スタッフを対象とした囲碁イベント、「健康長寿囲碁まつり」(主催: 日本社会人囲碁協会)を開催した。 内容は、インストラクターによる入門講座、プロ棋士による指導碁、参加者同士の対局等であった。 イベント参加者は100名以上となり、参加者の年齢は最年少で4歳、最高齢で 91歳と多世代に及んだ。参加者を対象としたアンケート結果より「イベントへの満足度」や「囲碁への興味・関心」についていずれの年代からも高い評価が 得られたことから、囲碁が世代間交流プログラムに用いるツールとして有効である可能性が示された。今後は、囲碁を活用して世代間交流を促進する仕掛けについて様々な場面で検討を加えるとともに、客観的な尺度を用いて交流の評価を行うことで、その世代間交流プログラムとしての特性と効果を明らかにし、互恵性の高いプ ログラムとしての普及の可能性を検討していく。