2012 年 7 巻 p. 40-50
本報告は, 2011年1月イリノイ州を訪問し実施した,聞き取り調査をまとめている.全米スクールソーシャルワーク協会のモデルともなった,アメリカ最大の協会であるイリノイスクールソーシャルワーク協会のメンバーや大学教授らに対し,スクールソーシャルワーク発展に何が必要なのか考察を行うために,プログラム理論に沿った聞き取り調査を実施した.結果,イリノイ州におけるスクールソーシャルワーク発展プロセスに重要な点として,①教育的ニーズーと協働,②法的なアプローチ,③科学的根拠に基づいた実践の重要性が存在することがわかった.これらのことは,今後の日本におけるスクールソーシャルワークの発展のため,アメリカにおける実践をどのように参考にすればいいのかを検討できるものと思われる.