2019 年 29 巻 p. 105-110
「基礎学力・学習力テスト」は,教科書に掲載されている基礎的な問題を択一式によって出題し,試験時間内に受験者が解答を確定させると即座に自動採点できるオフライン型のタブレットテストである。間違えた問題については,当該問題を解くために必要な知識や考え方を「解説文」として表示し,受験者は,解説文を理解した上で類題を解き,それに正解すれば一定の学習力があると評価するものである。佐賀大学では,本テストを佐賀大学版CBTの1つとして開発し,平成30年度の推薦入試において実施した。実施の結果,基礎学力とともに,学習力についても一定の識別力が確認され,基礎学力担保の有効な手段として機能することが示された。本稿では,CBTシステムの概要,試験運用の仕組み,本試験導入に向けた準備,今後の課題などについて報告する。