理学療法の科学と研究
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症例報告
大腿神経完全麻痺に伴う膝折れに対し,スクワット運動と半歩荷重肢位のステップが有効であった1例
深田 亮村田 淳
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2020 年 11 巻 1 号 p. 11_23-11_28

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抄録

 【目的】大腿神経を切断するとその神経障害は重篤であり,回復の見込みはない。今回,スクワット運動と半歩荷重肢位のステップを中心とした理学療法を実施し,歩行時の膝折れに対して良好な結果を得た。【症例】術後に膝関節伸展筋力を喪失し,膝関節屈曲位で患肢に荷重すると膝折れを生じた60歳代の男性である。【方法】術後早期からスクワット運動と半歩荷重肢位のステップを1セッションあたり30回,3~5セット反復して実施した。【結果】術後5週で屋外歩行はT字杖を使用し監視下で実施可能となった。階段昇降は手すりを把持して2足1段で自立した。床上動作も自立した。転院から4週後に自宅退院となった。自宅退院から 12週後に復職した。【結語】スクワット運動と半歩荷重肢位でのステップを実施した結果,体重支持下で膝関節の屈曲と伸展が可能となり,復職に繋がった。

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© © 2020 一般社団法人 千葉県理学療法士会
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