X線分析の進歩
Online ISSN : 2758-3651
Print ISSN : 0911-7806
原著論文
酸化ニッケル担持金触媒の状態分析
西川 裕昭川本 大祐大橋 弘範陰地 宏本間 徹生小林 康浩岡上 吉広濱崎 昭行石田 玉青横山 拓史徳永 信
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2012 年 43 巻 p. 285-292

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抄録

金属酸化物に金ナノ粒子を担持させた触媒は様々な反応を触媒することが知られている.その中に担体である金属酸化物が還元され担体0価金属が活性種となる触媒があり,我々はAu/NiOからNiを還元し有機触媒反応に利用することとした.共沈法で調製し,空気焼成したAu/NiOを水素還元し,水素化反応を行ったところアルコールの脱水酸基反応に対して触媒活性を示した.本研究では,Ni(0)が生成したかどうかを確認する目的でXAFSおよび197Au Mössbauer分光法を組み合わせて触媒のキャラクタリゼーションを行った.その結果,XAFSよりNiは還元処理を行うことで2価から0価へと還元されることが分かった.Auは還元処理を行うことでスペクトルの形状が変化した.197Au Mössbauer分光法を組み合わせることでAu・Niともに0価へと還元され,一部合金化していることが確認された.

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© 2012 公益社団法人日本分析化学会 X線分析研究懇談会
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