2017 年 9 巻 p. 65-73
本研究は,表層的に異なる語彙・表現を発話しても,同一機能であれば韻律的特徴には共通点があることを示すための一連の研究の序章にあたる部分である。最終的には「機能別・韻律の指標」を作成し,日本語教育での初級学習者に対する音声指導に寄与貢献することを目指すが,まずはその第一歩として,本研究では,大学場面で初級日本語学習者がどのような機能を必要としているのかを明らかにするためにアンケート調査を行った。その結果,①相手に何らかのアクションを要求する機能,②自分の気持ちを伝える機能,③人間関係を円滑に進めるためのコミュニケーション機能,を主に必要としていることが示唆された。