自然言語処理
Online ISSN : 2185-8314
Print ISSN : 1340-7619
ISSN-L : 1340-7619
コーパスに基づく動詞の多義解消
福本 文代辻井 潤一
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 4 巻 2 号 p. 21-39

詳細
抄録

本稿では, コーパスから抽出した動詞の語義情報を利用し, 文中に含まれる多義語の曖昧性を解消する手法を提案する. 先ずコーパスから動詞の多義解消に必要な情報を抽出する手法について述べる. 本手法では, 多義を判定しながら意味的なクラスタリングを行なうことで多義解消に必要な情報を抽出する. そこで, 表層上は一つの要素である多義語動詞を, 多義が持つ各意味がまとまった複数要素であると捉え, これを一つ一つの意味に対応させた要素 (仮想動詞ベクトルと呼ぶ) に分解した上でクラスタを作成するという手法を用いた. 本手法の有効性を検証するため, 丹羽らの提案した単語ベクトルを用いた多義語の解消手法と比較実験を行なった結果, 14種類の多義語動詞を含む1, 226文に対し, 丹羽らの手法が平均62.7%の正解率に対し, 本手法では71.1%の正解率を得た.

著者関連情報
© 言語処理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top