1991 年 55 巻 5 号 p. 361-366
戸建て住宅の囲障形態の実態と敷地の有する諸条件との関係を明らかにし, 民有地の生垣による緑化および保全方策を検討することを目的に, ケーススタディとして茨城県取手市を取り上げ, 調査・研究を行った。農村地域においては, シラカシ・ヒサカキを主たる構成樹種とする混植の高生垣が多く存在し, 地域的な特色となっているが, 市街化につれて, ブロック塀等, 生垣以外の囲障が増加する傾向にある。新興住宅地においては, 敷地面積の大きい住宅では生垣が存在するものの, 全体としては塀とフェンスを垂直に組み合わせた囲障が多い。敷地面積や接道部の長さが減少すると, 生垣の出現率が低下することが把握された。